動けない

少し早起きして再び、臨海斎場へ。
びっくりするくらいの良い天気。
駐車場をビリーさんを乗せた車が周回するということで並ぶ。
待っている間、友人達とバカな話をしまくる。
きっと周りにいた方達にとっては迷惑だったのではないでしょうか。
けど、ビリーさんの思い出話は、どうしてもそうなってしまう。
悪そうで恐そう、そして冗談ばっかり言っているけど、とても優しくて温かくて気ぃ遣いで。
魅力に溢れた人。
だからこそ、笑い話がいっぱい。
待っている間は、4月とは思えないほど太陽が照り付けていてたので、みんなで
「きっとさー、この暑い中大人しく待ってるなんてバッカじゃねぇの! って言ってるんじゃないの?ムカつくよね〜」
「いや、むしろこの尋常じゃない暑さはビリーさんの嫌がらせに違いない!」
などと言って笑ってました。
けど、いざ出棺となったら…ダメでした。
昨日、お焼香では全く涙が出てこなかったのに、驚くくらい溢れてしまいました。
それなのに自然と目が追ってしまう。
周回し終えて、誰もがそばに行こうと歩きだしてるのに、全く足が動きませんでした。
気づくと自然と口からいつもライブ終了後についつい叫んでしまう
「物足りねぇぞ!」と言う言葉をずっと呟いていました。
私にとってビリーさんの存在していた期間があまりに短くて出たのだと思います。
というか、7年ずっと見続けてきたのですがもっとこれからも、それこそ未来永劫変わらずにいるものと思いこんでいたので。
立ちすくんでいると、私のちょっと前に同じように立ちすくんでいる、ギターウルフと近しいバンドの人達がいました。
それに気づいて更に涙が。
当分経っても動けないでいると、順に挨拶してきたセイジさんが私達の方にやってきました。
「今日はありがとう」と言うセイジさんと握手。
言葉が出てこず無言のまま握手し返すと左手でポンと優しく私の肩を叩いてくれました。
それでまた、もう…。
哀しさは当然あったのですけど、
私以上に絶対的に哀しんでいるセイジさんがこんなにも気丈でいるのに
ボロボロになっているのが申し訳なくて、情けなくて。
でも、そう思ったら泣きながらもやっと足が動きました。
その後、自身が少し落ち着いてから斎場を後にしました。
両日出たけど、素直にビリーさんにありがとうと言えるまではもう少し時間がかかりそうです。
けれども、行って本当によかったです。